薬剤師として、医療業界にまつわる時事ネタは大変興味深いですが、今回のニュースは薬局の働き方が変わる大きなニュースだと思い、深堀していきたいと思います。
Amazonが日本に薬局を作る理由が今の日本の薬局業界の変化に隠されています。その変化をチェックしていきましょう。
私自身は病院薬剤師として働いているため、薬局の働き方には疎いのですが(学生実習で学ばせていただいたところで時が止まっている)この場で自分なりに勉強していき、薬薬連携(病院薬剤師と薬局薬剤師が連携することで、お薬を共通言語として患者さんの情報を共有し、安心できる薬物療法を継続して提供する体制)の強化や、医療DX推進に貢献し患者さんにより良い医療が提供できればと思っております。
amazonが処方薬の販売事業参入を検討
先日日本経済新聞の報道でAmazon薬局なる言葉が紙面をにぎわせました。Amazonがオンラインで薬を販売する仕組みを作るというわけです。現在日本全国に強力な配送網を持つAmazonであれば薬を配送することは何ら難しいことではありません。現在も国内で薬の配送を行っているところはありますが、コスト面やタイムリーな配送というところはデメリットとなっています。
電子処方箋
このようなオンラインで薬の配送が可能になる背景として2023年1月から始まる電子処方箋の導入に合わせたものとみられます。電子処方箋とはこれまで紙で発行していた処方箋を電子化したものです。電子化することで、
①複数の医療機関・薬局間での情報共有が可能に
②自分のお薬情報がタイムリーにかくにんできる
③診療やお薬の受け取りが便利になる
というようなメリットがあげられます。
ここにAmazonのような強力な配送網を有したオンライン薬局がうまく連動できるというわけです。
オンライン服薬指導
オンライン服薬指導とは、パソコンやスマートフォン等の情報通信機器を活用しつつ実施する服薬指導です。
法改正により、「薬剤師の責任・判断により初回からオンライン服薬指導を実施可能とすること」「オンライン診療・訪問診療において交付された処方箋以外の処方箋においてもオンライン服薬指導の実施を可能とすること」「服薬指導計画の見直し」等が可能になります。
コロナを機に停滞していた薬局業界の流れは変わりつつあります。Amazonが処方薬を販売できる仕組みが構築され始めているという事実は頭に入れておかなければなりません。
次の記事では、実際どのようにAmazonが薬局業務を行っていくのかを考えてみたいと思います。
コメント