暑い、暑すぎる夏が到来しそうです。全国的な梅雨明けも近づいてるのでしょうか。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、4年ぶりに行動制限のない夏。しかしコロナウイルスはもちろんのこと、小児の間では夏風邪も大流行。薬局ではいわゆる風邪の症状に使う解熱鎮痛薬や咳止めが品薄になっています。なぜここまで薬の供給が追いつかないのか。薬がない時、私たちはどう対応すれば良いのか薬剤師が解説させていただきます!
薬が足りない理由
薬が足りなくなるのはは大きく3つの要因が考えられます。
- 販売を中止させる行政指導の件数が急増している
- ロシアウクライナ問題による原材料費の高騰、供給不足
- 新型コロナによる特定の医薬品の需要増加
一つ目の行政指導の件は、ここ2〜3年病院で働いていると毎朝のミーティングで「○○製薬の薬は供給停止になりました。」というお知らせを耳にします・・・
この問題が薬不足になっている最大の要因なのです。背景としては、ジェネリック(後発医薬品)製造企業の日医工が、2020年から次々に製品不正製造が発覚、自主回収を行いました。ジェネリック企業の小林化工でも同様の事例が発覚し、自主回収を行いました。
特に、小林化工の作業手順遵守違反に伴う重大なミスによる死亡例と日医工の製品試験の不適合を隠し合格がでるまで再試験を実施している等の慣行は問題とされました。
その後、日医工は、本来の基準で合格水準の医薬品を出せない製品やコストを割った薬価がつけられている医薬品の供給をやめてしまい、厚生労働省がかなり働きかけているものの、このような採算割れが予想される医薬品を供給する他の企業も供給に後ろ向きな結果、一般的に使われる医薬品の供給不足が起きています。
このような問題は日本の薬価制度、ジェネリック推進が背景にあると考えられます
今後の展開
日本は少子高齢化が極端に進んでおり、働く世代が高齢者の医療費を支えきれないという状況が進んでいくことが予想されます。政府が医療費削減を掲げる限り、ますます薬価は下げられ薬の製造業者は過酷な状況に追い込まれてしまいます。薬剤師として日本の薬の安定供給を守るためには何を行えば良いのか。
私たちが取り組むべきことは二つ。
①病気に罹らないように予防する”予防医療”
②最低限のことは自分で対処する”セルフメディケーション”
感染予防は引き続き行う
コロナ禍のような四六時中の感染対策とは言わないまでも、ある程度臨機応変な感染対策は続けていくべきです。現在小児で流行っているヘルパンギーナやRSウイルス感染症などはコロナ禍のような手指消毒、除菌で感染リスクを減らすことができます。ヘルパンギーナはアルコールに抵抗性があるため子供がよく使用する遊具などは、塩素系の消毒剤での除菌を心がけます。
セルフメディケーション力を高めよう
ドラッグストアやネット通販などで今は気軽に薬が買える時代です。まずは薬局薬剤師にご相談を!
熱が出る、咳が出る、鼻水が止まらない。などの症状はもしかしたら市販の薬で対処が可能な場合があります。むやみに病院に行けば感染拡大、不要な薬の処方につながる可能性もあります。まずはお近くの薬局に相談に行くのも選択肢の一つです。
薬選びで迷うときはぜひカルダモンのyoutube薬局を参考にしてみてください!
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