認定・専門薬剤師所得のメリット

薬剤師の働き方改革

ここ最近の朝晩は過ごしやすく、公園の道には銀杏も落ちはじめ、すっかり秋の足音が近づいてきました。日中はまだまだ蒸し暑く熱中症の注意も必要かと思いますが、深い秋よりも、終わり行く夏のはかなさを残した9月という時期はとても好きな季節です。

先日緩和ケア領域の勉強会の演者をしてきました。テーマは「緩和ケアにおける薬剤師の役割」

勉強会で話をすると自分のやってきたこと、これからやるべきことが明確になると感じています。病院での仕事はもちろん、SNSを通じて医療従事者、健康に興味がある人に向けて少しでも自分の立場から役に立つ情報を発信していけてらと思っております。

認定薬剤師の資格取得までの道のり

資格の種類や要件の詳細は上記の本を参考にしていただければと思います。どの資格も取得までに3~5年、かかる費用は5万~20万円程度となっております。働いている薬局や病院によっては資格が必要な加算を算定していて資格取得を推奨されるところもあると思います。

しかし現状資格を取ったからと言って給与への上乗せは期待できず、あくまで自己研鑽の一種として資格取得を目指しているのが現状だと思います。医療の世界は専門性が日々たかっくなっており、薬剤師も専門性を高めていかなければいけないと感じております。現状の資格取得への補助が少なく、給与への上乗せが期待できない現状では、薬剤師としてチーム医療での活躍の機会はどんどん失われていくと感じております。

認定薬剤師の資格取得のメリット

  • 自分の興味のある分野を勉強し専門的な知識が身に着けられる
  • 医師・看護師など他職種と仕事する機会が増え、治療の全体像が把握できる
  • 算定が取れれば、業務時間内に専門分野の仕事ができる
  • 他施設の薬剤師との交流が増え新たな視点で仕事ができる
  • 転職の際に役に立つ

直接的な給与の面でのプラスはありませんが、普段の業務が興味のある分野をより専門性を発揮してできるようになります。患者さんやチーム医療への貢献という観点ではとてもやりがいが増したと実感しています。やはり資格を持っていると周りの薬剤師からの理解・協力が得られるのが多きかなと感じています。

また他施設から見たときほかの薬剤師との差別化という点で転職の時に役に立つ可能性があります。

おすすめの資格4選(病院薬剤師)

わたしが働いていて非常に役に立っていると思う認定資格をご紹介します。

  • がん薬物療法認定薬剤師
    • 日本病院薬剤師会
    • 取得費約25万円
    • がん専門施設での研修と50症例の症例報告
    • 化学療法レジメンの作成や副作用対策チーム
  • 感染制御認定薬剤師
    • 日本病院薬剤師会
    • 取得費約8万円
    • 感染対策チームで感染制御全般(抗菌薬の適正使用から衛生面の指導まで)
  • 緩和薬物療法認定薬剤師
    • 日本緩和医療薬学会
    • 取得費約10万円
    • 緩和ケアチームや緩和ケア病棟でがん治療の痛みや苦痛を予防・改善へ介入
    • 病院で30保険薬局で15の症例報告が必要
  • 栄養サポートチーム(NST)専門療法士
    • 日本臨床栄養代謝学会
    • 取得費約4万円
    • 栄養サポートチームで他職種と協働し患者さんの栄養状態維持・改善に貢献
    • 輸液での栄養管理や薬剤の簡易懸濁に関する知識が身につく

まとめ

どの資格も薬剤師になってすぐ取れる資格ではなく3~5年は薬剤師としての経験が必要ですので、入社時には幅広い視点を持って業務に従事し、働いているうちに興味を持った分野見つかれば専門性を高めていくという流れが一般的です。

費用、年月がかかるものですので、ご自身のライフプラン、薬剤師としての人生をよく考え、そのうえで取得したいというものがあればとることをお勧めします。周りがみんな取っているからという理由で資格を取ると後々後悔するので、無理の取ることはお勧めしません。薬剤師という資格だけでも、薬のスペシャリストという専門性がありますので。

薬局で働いている方向けの記事はまた後日。

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