鉄分は処方薬よりサプリメントがオススメ!

セルフメディケーション

国民栄養調査によると、日本人女性の二人に一人が鉄の摂取不足とされています。
特に、ダイエット中の女性、妊娠中の女性、激しいスポーツをする方は、鉄の摂取量に注意が必要です。また、貧血と診断されるには至らないものの、貯蔵鉄が欠乏していることで、ダルい、冷える、めまいがする、など症状を訴える方は多く、鉄の摂取不足が不定愁訴の原因になっている可能性があります。

鉄不足になると以下のような健康トラブルが起きやすくなります。

目の下のクマが取れない、顔色が悪い、慢性的な冷え性・肩こり、だるい・疲れやすい、階段を上るだけで動悸や息切れがする、イライラ・神経過敏、注意力散漫、めまい、微熱、頭が痛い、物忘れ、脳の働き低下、うつ、朝の目覚めが悪い、爪が反る・もろくなる、唇の端が切れる、ダイエットしていてもなかなか効果がでない、シャンプー時に毛が抜けやすい。

鉄不足に適切な鉄分

鉄が不足しているなら、鉄を補えばいいということになります。医薬品としての鉄剤には、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄、などがあります。
しかし、これらの鉄剤は大量に摂取すると約10%の方に副作用として、軽い腹痛、食欲低下、便秘あるいは軟便が起こります。
また、こうした鉄剤は「非ヘム鉄」であり、食物繊維やフィチン酸、タンニンなどにより吸収阻害を受けやすいことに加え、細胞内に取り込む際に、3価の鉄イオンから2価の鉄イオンに変化させる必要があるので吸収が良くありません。

オススメの鉄分サプリメント

私たちが食べ物から摂取する鉄には、おもに野菜に含まれる「非ヘム鉄」と、肉やレバーなどの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」があります。
「ヘム鉄」は、「非ヘム鉄」と異なり、鉄がむき出しではなく、鉄ポルフィリン複合体に囲まれているため、胃粘膜・胃壁を荒らすという副作用がなく、また、そのままの形で吸収されるので、吸収率も「非ヘム鉄」に比べ、5~10倍もよいといわれています。

ですので「ヘム鉄」と書かれたサプリメントを摂取することで処方された鉄剤よりも効果が高くなる可能性があります!

ヘム鉄

処方薬について

最後に病院でよく処方される鉄剤の特徴をご紹介!

クエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミア)

【用法・用量】
通常成人は、鉄として 1 日 100~200mg(2~4 錠)を 1~2 回に分けて食後経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

基本的に鉄剤は、胃内pHが高い状態では、高分子鉄重合体が形成され吸収可能な低分子量の鉄溶存率が低下することが要因で、吸収が悪くなると言われています。
しかし、クエン酸第一鉄ナトリウムはpHが高い状態でも溶解するため、食後(食後は胃内pHは高い)での投与が可能となります。

pHの影響を受けないため、高齢者や胃の切除を受けた人など、胃酸の分泌が少ない人でも使用できるというメリットがあります。

ビタミンCは鉄剤の吸収を促進すると言われているため、一緒に処方されることがあります。
ただし、フェロミア(成分:クエン酸第一鉄ナトリウム)は、鉄と鉄吸収促進物質であるクエン酸との化合物であるため、特にビタミンCと併用する必要はなく、フェロミアを単独およびビタミンCと併用した比較試験では貧血改善効果に影響がない報告がされています。

乾燥硫酸鉄(フェロ・グラデュメット)

【用法用量】
鉄として,通常成人 1日105~210mg(1~2 錠)を1~2回に分けて、空腹時に、または副作用が強い場合には食事直後に、経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

やはり溶解性が低下するのを懸念して、基本は空腹時となっています。

フマル酸第一鉄(商:フェルム)

【用法用量】
通常成人は1日1回1カプセルを経口投与する。

なんと添付文書では、食後などの制限もなくいつでも飲めることとなっています。
徐放性を有する製剤となっているため1日どのタイミングでも服用可能です。

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