頭痛は私たちの日常生活において起こりやすい症状です。 軽いものであっても、集中力を欠いて、生活の質を低下させることがあります。薬剤師の視点から頭痛の原因とその対処法について分かりやすく解説いたします。
頭痛の種類
頭痛にはさまざまな種類があります。以下に一般的な頭痛の種類をいくつか紹介します
- 緊張型頭痛型: 最も一般的な頭痛の一つであり、頭の中に感じる圧迫感や圧迫感が特徴です。軽度から中程度の痛みがあり、日常生活のストレスや筋肉の緊張が原因となります。
- 片頭痛:片頭痛は、頭の一時に激しい悪心や吐き気、光や音に対する過敏、頭痛発作など特徴的な頭痛です。発作が起こる前に前兆が現れる場合もあります。片頭痛は血管の拡張や神経の過敏などが原因と考えられています。
- 群発性頭痛: 群発頭痛は非常に強い痛みを伴う頭痛で、方側の視界やこめかみに局所化されます。発作は通常、同じ時刻や同じ時間帯に終わります。
- 脳疾患によるもの:MRI、髄液検査で脳に異常を認める、命に関わる頭痛
以上大まかに4つに分けられます。
片頭痛について
- 仕事終わりなどほっとした時に多い
- 拍動性(ズキズキ)の頭痛
- 光、匂いに敏感になる
- 目の前にチカチカが見える(閃輝暗点)
- 女性に多く、ひどい時は寝込んだり、吐いたりする
片頭痛の症状
片頭痛は頭痛が始まる前に頭部の不快感によって気づくことが多いと言われています。
その後、軽度の痛みから徐々に中等度から重度の頭痛へと強度を増していきます。
この時間は、一般的に30分から2時間とされています。一度、片頭痛が生じると4~72時間持続します。
頭痛の典型的な部位としては、片側のこめかみから目の周囲が多く、拍動性もそしくは持続性の痛みを呈します。片頭痛患者の60%の患者は片側性ですが、両側性の頭痛を訴える方もいます。
頭痛の程度は、様々ですが日常生活に支障が出る程の症状の方も多くいます。
片頭痛発作時には、悪心、嘔吐を伴う他に光過敏症、音過敏症を認める事も多く認めます。また、匂いにも敏感になるほか、階段の上り下りの動作でも頭痛が増悪する事があります。
片頭痛発作時の治療
頭痛が起こってしまった時の内服薬には、
- トリプタン製剤
- アセトアミノフェン
- NSAIDS(ロキソプロフェン、セレコキシブなど)
頭痛の頻度、強さ、持続時間等で患者様に合わせて使用します。ポイントは頭痛が起きる前に服用することです。
トリプタン製剤の特徴
- スマトリプタン(イミグラン):イミグラン(スマトリプタン)は点鼻と錠剤、注射の3種類の剤型があります。イミグランの皮下注射は12分で効果発現があり即効性に優れます。
自己注射の為いつでも使えます。妊娠中での使用データも豊富で、妊婦さんの頭痛増悪時にも、比較的安全に投与可能です。 - ゾーミッグ(ゾルミトリプタン):第二世代のトリプタン製剤。効果が強めですが、やや眠気の副作用も強い印象。通常の錠剤の他にRM錠と言う口腔内速溶錠があり、どこでも服用可能です。
- レルパックス(エレトリプタン):トリプタン製剤が初めての方には、薬の効きも早く中枢性の副作用や首や胸の締め付け感が少なくお勧め。授乳中での使用も問題ないというエビデンスもあり産後の方にも比較的使いやすいのが特徴です。
- マクサルト(リザトリプタン):通常の錠剤の他にRPD錠と言う口腔内崩壊錠(口の中で溶けやすい)があります。小児領域でのデータが多くあり、エレトリプタンと並び小児に使いやすいとされています。
- アマージ(ナラトリプタン):月経関連や発作期間が長い方には、半減期の長いアマージ(ナラトリプタン)がお勧めです。副作用も少ないです。
次回は片頭痛の予防についてご紹介させていただきます。
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