頭痛は予防できる:痛みから解放されるためのガイド②

セルフメディケーション

片頭痛を予防するためにはどのようなことを行っていくべきか。最新の治療薬では片頭痛予防の薬が日本でも使えるようになってきました。またできる限り起こらないようにするために生活習慣の見直しも必要となります。今回は片頭痛を予防する生活習慣と最新の治療薬をご紹介させていただきます。

片頭痛は予防できる

片頭痛を予防するための行動習慣をご紹介させていただきます。

  • 生活リズムを整える:寝不足、寝すぎにならないようにしましょう。睡眠は大切です。
  • 長時間のスマホやパソコンの使いすぎを気をつける:就寝2時間前は、使用を控えましょう。ブルーライトを遮断しましょう。
  • ストレスをためないようにする:自分なりの気分転換方法等を見つけましょう。
  • 規則正しい食生活を心掛ける:空腹は片頭痛の誘因となります。適度な食事が1番!
  • 栄養バランスを考える:ビタミンB2やマグネシウムを摂りましょう。
    片頭痛の頻度や持続時間を減らすと言われています。ビタミンB2が多く含まれる食材にはウナギ、カレイ、レバー類、牛乳、ヨーグルト、卵黄などがあります。
  • 避けるべき食材:ワイン、チーズ、チョコレートなどが頭痛を誘因すると言われています。
  • 日差しを避ける:日差しによる視覚的な刺激は、誘発します。サングラスをしましょう。
  • 適度な運動:運動も規則正しい生活をする上で重要です。
  • 人混み、騒音、強いにおいを避ける:ストレスとなるものは、片頭痛の誘因となります。出来るだけ避けましょう。

以上どの領域でも重要と言われているようなことです。当たり前のことを日常生活で当たり前に行うって本当に難しいことですよね・・・

片頭痛の予防治療

上記のような生活習慣を身に付けても片頭痛は月2回以上発作がある場合は、予防治療を始めることが勧められます。
予防治療により発作の頻度、発作の際の痛みの強さを改善する事がでる可能性があります。

治療薬
  • ミグシス(塩酸ロメリジン):Ca拮抗薬。ミグシスを使用することで、発作回数や頭痛の程度の軽減、発作治療薬の減量、片頭痛による前駆症状の改善などの効果が期待できます。このお薬は脳の血管に選択的に作用する特徴があり、血圧低下等はほんとありません。血管の収縮と拡張の差を少なくして片頭痛発作を軽減します。血管の収縮、拡張を安定させて減らす事により頭痛が誘発される事を減らします。効果発現まで早い人でしたら1週間で効果を実感できます。通常は1カ月~3カ月程度で効果を見極めていきます。
  • インデラル(プロプラノロール):β遮断薬。元々このお薬も血圧降下、血管拡張作用のお薬です。これ以外の使用には、本態性振戦、血圧のお薬として使われます。このお薬も血管の収縮拡張に作用し頭痛頻度を減らすとされております。妊娠中の片頭痛予防にも使います。
    30 mg/日から開始し30~60mg/日が使用容量の目安となります。
  • デパケン(バルプロ酸):てんかんのお薬です。ミグシスが登場する以前より使われていました。眠気の副作用が強めですが、効果も期待できます。500mg~600mg/日の内服が勧められます。ミグシスで効果が今いちだった方に使用されることが多いです。
  • トリプタノール(アミトリプチリン):片頭痛の治療に難渋している方に効果的なお薬です。元々は、抗うつ剤ですが少量投与によりに効果的です。(視調節障害、鼻閉、口渇、頻脈、便秘、排尿障害、緑内障には禁忌とされています)
    使用量は低用量(10~20mg/日、就寝前)で使うことが推奨されます。
最新治療

近年は、ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体の注射薬による予防治療も行われております。
エガルティは、イーライリリーにより創製されたヒト化抗CGRPモノクローナル抗体で、新規作用機序をもつ片頭痛発作の発症を抑制する薬剤として開発されました。
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は片頭痛発作時に上昇することが知られており、本剤はCGRPに選択的な結合親和性を有し、その活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制することが期待されます。副作用も、内服の予防薬に比べ非常に少ない為、内服で効果が得られなかった、内服での副作用が出る方に勧めです。


その他エムガルティと同等の薬効の薬としてアジョビ、アイモビーグなども国内で使えるようになりました。広がりつつある片頭痛予防治療。頭痛のお悩みを解決して、健やかな毎日を取り戻しましょう。

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