GLP-1とは!?:痩せ薬として注目!?注意すべきポイント

セルフメディケーション

今回は薬剤師カルダモンが現在痩せ薬として注目されている糖尿病治療薬GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬について解説させていただきます。 GLP-1は、糖尿病治療において注目されている重要なホルモンです。

GLP−1とは!?

GLP1ってどんな役割?

GLP-1は、膵臓と腸で産生されるホルモンの一種で、血糖値の調節に重要な役割を果たしています。食事を摂ると、腸からGLP-1が放出され、膵臓のβ細胞に信号を与えますこれにより、血糖値が上昇しすぎないように調整されます。

糖尿病は、血糖値が正常に管理されない状態で、高血糖が慢性的に続いていることが特徴です。GLP-1受容体アゴニストは、この状態を改善するための効果的な薬物の一つです。の薬物は、GLP-1の作用を模倣し、糖尿病患者の血糖値を管理するのに役立ちます。

糖尿病治療薬としての役割

実際に医療現場でどのように使われているの!?

GLP-1受容体アゴニストは、通常、皮下注射として投与されます。 週に1回の投与で済む薬も発売されており、治療を便利にします。 これらの薬物は、2型糖尿病患者において、他の経口薬やインスリン製剤と組み合わせて使用​​されることが一般的です。

GLP−1作動薬の特徴

他の糖尿病と比べて優れている点は?

2010年に国内で発売されたGLP-1受容体作動薬ですが、発売後10年間は、市場の拡大は見られませんでした。
GLP-1は、インスリン分泌を促進する作用で血糖を下げます。しかし、インスリン分泌を促進する薬は、SU薬、グリニド薬、DPP-4阻害薬など、GLP-1よりももっと安価な内服薬がたくさんあります。
GLP-1の本来の目的、それは、脳中枢に作用して、食行動を変容させることです。それには、高用量投与する必要があります。日本では近年ようやくリラグルチドが海外の1.8mgまで使用可能に、さらに、昨年から、セマグルチド(週1回製剤の注射、及び経口薬)が、海外と同用量で使用できるようになり、ようやく国内においても、肥満糖尿病治療の時代が到来しました。

GLP−1の副作用

GLP-1受容体作動薬には、いくつかの副作用があります。これには、吐き気、下痢、食欲不振が含まれます。海外で使用されている用量であれば、ほとんどの日本人に対して、体重減少作用、それに伴う血糖降下作用が期待できます。高度肥満者に対して、GLP-1をさらに増量しようという動きもありましたが、用量を増やしすぎると、副作用の悪心・嘔吐出てしまう問題点があります。

さらなる新薬GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド)


GIPとは、GLP-1の嘔吐作用と拮抗する制吐作用を有するため、それほど強い嘔吐が出ないように工夫されています。高用量のGLP-1で食欲をそぎつつ、その嘔吐をGIPで防ぐというものです。
この新たな薬剤が、肥満糖尿病患者さんの食事療法を維持することを容易にし、食行動に伴う心理的負担を改善してくれます。

痩せ薬としての安易な使用は要注意

  1. 副作用: GLP-1受容体アゴニストの一般的な副作用には、吐き気、下痢、食欲不振が含まれます。これらの症状は初期に発生し、通常は軽いので一時的なものですが、一部の患者には継続的な問題となることがございます。
  2. 費用: GLP-1受容体アゴニストは、他の糖尿病治療薬と比較して比較的高価です。
  3. 効果の個人差: 個人の患者によって反応が異なることがあり、一部の患者は体重の減少や血糖管理のメリットが得られにくいことがあります。
  4. 長期的な安全性の不明確さ: 一部の GLP-1 受容体アゴニストについて、長期的な安全性に関する情報が限定されているあり、引き続き研究が必要です。

GLP-1受容体作動薬は、体重増加を抑制するため、肥満患者にも選択肢として検討されていますが安易に痩せるから使うのではなく必ず医師、薬剤師に確認のうえ正確な情報を確認してから使用することを推奨します。

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