国が推奨するがん検診 ③肺がん検診

予防医療

肺がんとたばこ

肺がんはわが国のがんによる死亡原因の多くを占めるがんです。肺がんの原因としてよく知られているのはたばこです。たばこを吸う人は肺がんで死亡するリスクが、たばこを吸わない人に比べて、日本人男性では約5倍、女性では約4倍高くなり、たばこを吸う年数、本数が多いほど肺がんになりやすくなり、たばこは喫煙者本人のみならず、周りの人(受動喫煙者)の肺がんリスクも上げます。禁煙によってご自身と周りの人の肺がんリスクを下げることができます。


肺がん初期では自覚症状がないことが多いですが、血痰けったん、長引く咳、胸痛、声のかれ、息切れなどの症状がある場合には検診を受診せず、すぐに医療機関を受診する必要があります。

肺がん検診の対象年齢

肺がん検診が推奨される年齢は40歳以上の健常者です。

肺がん検診の受診間隔

肺がん検診は毎年定期的に検診を受診することが推奨されています。

肺がん検診の方法

肺がん検診として科学的に認められ、推奨できる検診方法は「胸部X線検査」と、「喀痰細胞診(喫煙者のみ)」を組み合わせた方法だけです。

胸部X線検査

胸のX線撮影を行う検査です。健康診断などでやったことのある方もいると思います。全体を写すため、大きく息を吸い込んでしばらく止めて撮影します。
肺のX線検査の放射線被ばくよる健康被害はほとんどないとされています。

喀痰細胞診(痰の検査)

対象者は50歳以上、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の人に推奨されます。現在喫煙されている方だけではなく、過去に喫煙していた方も対象になります。3日間起床時に痰をとり、専用の容器に入れて提出します。痰に含まれる細胞を調べます。

肺がんの精密検査

がん検診の結果疑いがある方は以下に示すより精密な検査を行います。

胸部CT検査

X線を使って病変が疑われた部位の断面図を撮影し詳しく調べます。

気管支鏡検査

気管支鏡を口や鼻から気管支に挿入して病変が疑われた部分を直接観察します。必要に応じて組織を採取し悪性かどうか診断します。


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