医療現場で働いていると治療してからもすぐにピンピンしている方と、元の状態に戻るのに時間がかかってしまう方がいます。病気だけでなく年齢を取るにつれて老化が進みやすい方と若々しい方、この違いの一つに食生活があるといわれています。
このブログでも何度か紹介させていただいているフレイル。フレイル予防のために積極的に摂取したい栄養素は主にたんぱく質、ビタミンD、カルシウムです。今回は、結局たんぱく質って何なのか、たんぱく質を摂取するためにどうすれば良いかについて解説していきます。
たんぱく質とは
たんぱく質とはアミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に重要なものです。身体機能に大きく影響し、摂取量とフレイルのリスク低下との関連が見られることが分かっています。また、アミノ酸の組み合わせや種類、量などの違いによって形状や働きが異なり、酵素やホルモン、免疫物質としてさまざまな機能を担っています。
たんぱく質を構成するアミノ酸
たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類は、体内で必要量を合成できないため、食事から摂取する必要があります。これらのアミノ酸を必須アミノ酸といいます。体内で合成できる、非必須アミノ酸はグリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリンの11種類です。
どのくらい摂取すればよいか
日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%が理想とされており、推奨量は、18~64歳の男性は一日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。
良質なたんぱく質とは
たんぱく質の栄養価は、各必須アミノ酸について、評点パターンの数値を100としたときの割合で求められます。その食品の中で最も低いアミノ酸(第一制限アミノ酸)の値が、アミノ酸スコアとよばれ、その食品のたんぱく質の栄養価となります。アミノ酸スコアは一般に肉、魚、卵、大豆、乳類で良好です。穀類の精白米や小麦は、リジン少なく、アミノ酸スコアが低くなります。
良質なたんぱく質が取れるもの
たんぱく質は、肉類・魚介類・卵類・乳類など動物性の食品のほか、豆類・穀類など植物性食品に多く含まれています。一般的に、動物性食品に含まれるたんぱく質の方が、アミノ酸スコアの高い良質のたんぱく質が多いですが、特定の食品に偏らないように、それぞれのたんぱく質をバランスよく食べるようにしましょう。
一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からたんぱく質を多く含む食品を上から順にリストにしてみました。参考にしてみてください!
- 肉類
- ささみ
- 豚ロース
- 魚介類
- かつお節
- うるめいわし
- しらす
- 生カツオ
- ツナ缶・サバ缶
- 卵
- 生卵
- うずら生
- ゆでたまご
- 乳製品
- ナチュラルチーズ
- プロセスチーズ
- 豆類
- 油揚げ
- 納豆
- がんもどき
日常の生活からたんぱく質摂取をしていきましょう!
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